夕方になると、腕から手にかけてズーンと重くて
腕をマッサージしても一向に楽にならない。
このような症状でお困りではないですか?
こんにちは、大阪市北区、てんま活法整骨院の木下です。
デスクワーク中心の仕事に加え、帰宅後もスマホを見る時間が長い
同じ姿勢が続くと腕がだるくなる。
肩から腕への重だるさがいつの間にか日常化している。
今回ご相談いただいたAさん、デスクワークをされている30代女性です。
初めは疲れがたまってるのかなと軽く見ていたそうです。
自分でストレッチをしたり、サウナでマッサージを受けていたそうです。
なかなか楽にならず徐々に手のしびれや感覚の違和感まで感じるようになってきた。
しびれるのはおかしい感じて来院されました。
このような症状に心当たりがある方は、斜角筋症候群という状態が隠れているかもしれません。
斜角筋症候群とは、首の前側にある筋肉斜角筋が、腕に向かう神経や血管を圧迫している状態です。
腕や手にかけて重だるさ、しびれ、冷えなどの不快な症状を引き起こすものです。
一見すると首や肩の疲労のように思える症状ですが、実はその背景には、姿勢の崩れや体のゆがみ、
さらには日常の些細なクセまでもが関係していることが多いのです。
この記事では、斜角筋症候群の仕組みを解剖学や姿勢・生活習慣の視点からわかりやすく解説し、
症状の原因や対策、そして根本にある体のゆがみについてもご紹介します。
腕の重だるさでお悩みの方のお役に立ってる記事となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
斜角筋症候群は、首の側部にある前斜角筋、中斜角筋が緊張を起こし、
その近くを走行する神経や血管を圧迫することで、腕や手にさまざまな症状を引き起こします。
主な症状としてまず挙げられるのが、重だるさです。
これは、長時間のデスクワークやスマホ操作の後、腕が鉛のように重く感じたり、夕方になると力が入りにくくなる感覚です。
特に、パソコンのマウス操作などで片側の腕だけを酷使する習慣がある方に多く見られます。
次に多いのがしびれです。
腕の外側や手のひら、指先などにピリピリとした感覚が現れ、ときには感覚が鈍くなります。
これは斜角筋の緊張によって、神経が圧迫されて神経伝達が阻害されることが原因です。
冷感や蒼白も特徴的な症状です。
圧迫によって血管の流れが悪くなると、血液が手先まで届きにくくなり、手が冷たく感じられたり、色が白っぽくなることがあります。
寒くないのに手だけが妙に冷めたいという方は注意が必要です。
症状が進むと、握力の低下や物を落としやすいといった症状も。
ペットボトルのふたを開けにくくなったり、カバンを持っていて落としそうになるなど、日常生活に不便さを感じることもあります。
こうした運動機能の低下も、神経の圧迫が長期化した結果起こります。
その他にも、斜角筋が緊張することで首・肩まわりの痛みやコリ感、耳鳴り、頭痛といった不定愁訴を併発するケースもあります。
これは筋肉の緊張が周囲の組織に影響を与えることに加え、自律神経のバランスが乱れるためと考えられています。
このように斜角筋症候群は、単なる腕の不調にとどまらず、体全体に波及する症状を伴うことがあるため、早期の対処が非常に重要なのです。
斜角筋症候群の背景には、局所的な筋肉の緊張だけでなく、体全体のゆがみ」が深く関係しています。
ゆがみ=骨がズレているといったイメージがありますが、実際には骨盤や背骨が大きくズレることは稀です。
筋肉の緊張や関節の動きに偏りが生まれることで、体はゆがんでいる状態になるのです。
このゆがみは、多くの場合、日常の何気ない動作のクセから生まれます。
- 毎日同じ肩でバッグを持つ
- 足を組むのがクセになっている
- 片足に体重をかけて立つ
- スマホを長時間うつむいて見る
こうしたクセが積み重なると、筋肉の左右バランスが崩れ、関節の動きにも偏りが生まれます。
すると、肩が内側に巻き、背中が丸まり、首が前に出る姿勢が定着してしまうのです。
この姿勢では、自然と斜角筋にも過剰な負荷がかかり、やがて神経や血管への圧迫につながります。
つまり、首の筋肉の問題に見えて、実は体全体の使い方のクセが影響しているのです。
だからこそ、斜角筋症候群を本当に改善するには、局所ではなく、全体のバランスを見直す必要があるのです。
斜角筋症候群の症状を緩和・予防するには、普段の生活の中で負担のかかりにくい体の使い方を意識することがとても重要です。
以下のような習慣の見直しが効果的です。
- デスクワークでは椅子に深く腰掛け、骨盤を立てて座る
- 画面の高さを目線の高さに調整することで、首の前傾を防ぐ
- 肘や手首の角度を無理のない位置に保ち、肩が力まないように意識する
同じ姿勢が続くことも筋肉の緊張につながります。
1時間に一度は動いて姿勢を変えるようにしましょう。
- スマホを操作する際は、できるだけ目の高さまで持ち上げて見る
- ベッドでうつ伏せや横向きで長時間使わない
- スマホを使わない時間を意識的に作り、首への負担を減らす
- 片足重心を避け、両足にバランスよく体重を乗せて立つ
- あごを軽く引き、視線は少し遠くを見るようにする
- 肩の力を抜き、腕を自然に振って歩くことで、肩や首の緊張を減らす
これらはどれも大きな負担を伴うものではありませんが、毎日の積み重ねが姿勢と筋肉バランスに大きな違いを生みます。
腕や手の重だるさやしびれ、それは単なる疲れではなく体の使い方からのSOSかもしれません。
斜角筋症候群は、首の筋肉の緊張が原因で神経や血管が圧迫されることで起こる症状です。
その背景には、長年の姿勢や動作のクセによって生まれた体のゆがみが深く関係しています。
症状に悩む方の多くが、マッサージに行ってもすぐ戻ると感じています。
それは、表面的なケアだけではなく、体全体の使い方や生活習慣を見直すことが必要だからです。
だからこそ、まずは自分の体のクセに気づくことが第一歩。
完璧な姿勢を目指す必要はありません。
少し意識を変えることが、結果として大きな変化につながっていきます。
今回お伝えした対策を取り入れてみてください。
それでも腕の重だるさが変わらない方は体のゆがみに対する専門的な施術が必要かもしれません。
当院では体のゆがみにアプローチをする施術を行なっています。
腕の重だるさ、斜角筋症候群でお悩みの方は、一度ご相談ください。